人前に出る前から体に力が入る。考え事が続いて、なかなか気持ちを切り替えられない。仕事や人間関係のあとも緊張が残っている。
そのようなとき、札幌心の相談センターでは、カウンセリングでお話をうかがうこととあわせて、心身安定健康法を取り入れています。
心身安定健康法では、呼吸や身体の感覚に注意を向けたり、筋肉の力をゆるめたりしながら、自分の心身の状態に気づき、自分で調整していく方法を練習します。
札幌心の相談センターでは、自律訓練法、呼吸法、筋弛緩法、催眠法、音楽療法、バイオフィードバック法、イメージトレーニング法の7つの方法を取り入れています。
7つの方法をすべて行うわけではありません。
それぞれの方法をご説明し、ご本人の希望やそのときの状態、目的に合わせて、取り入れる方法を選びながら進めます。
実践する7つの方法
1.自律訓練法
自律訓練法は、身体の感覚に注意を向けながら、心身の緊張を自分で調整していく方法です。自己催眠法としての側面もあり、繰り返し練習することで、自分で心身を整える方法を身につけていきます。
練習には「6つの公式」がありますが、最初からすべてを行うわけではありません。まず姿勢を整え、基本となる公式から練習していきます。
札幌心の相談センターでは、自分一人で行う練習だけでなく、必要に応じてカウンセラーが言葉で誘導する「他者誘導法」も取り入れています。
カウンセラーの誘導を受けながら身体の感覚に注意を向け、その感覚を確かめながら練習します。そのうえで、日常生活の中でも自分で取り組めるようにしていきます。
実際に行うと、「これでよいのだろうか」「何も感じない」と思うこともあります。決められた感覚を無理に作ろうとせず、そのとき自分がどのように感じているかを確認しながら進めます。
練習の最後には「消去動作」と呼ばれる動作を行って終了します。
2.呼吸法
呼吸法では、自分の呼吸に注意を向けながら、ゆっくりとした呼吸を練習します。
札幌心の相談センターでは、呼吸法を行うとき、息を吸うことよりも、ゆっくり吐くことを意識してもらいます。
ひとつの目安として、吸う時間に対して、吐く時間をおよそ2倍にします。たとえば、3秒くらいかけて吸ったら、6秒くらいかけて吐く、といった具合です。
ただし、秒数を正確に合わせることが目的ではありません。苦しくならない範囲で、自分が続けやすい速さで行います。
慣れてくると、仕事の合間や人前で話す前など、緊張を感じる場面でも自分で行えるように練習していきます。
3.筋弛緩法
筋弛緩法では、肩や腕などの筋肉にいったん力を入れ、その後ゆるめながら、力が入っているときと、ゆるんだときの身体の感覚の違いを確かめます。
たとえば、手を握る、肩を上げる、腕に力を入れるなどして数秒間その状態を保ち、そのあと力を抜きます。
緊張が続くと、自分では気づかないうちに肩に力が入ったり、身体の一部に力が入り続けたりすることがあります。練習では、自分の身体のどこに力が入りやすいかに気づき、その緊張を自分でゆるめる方法を練習します。
手や腕、肩などから始め、必要に応じて身体のほかの部分についても行います。力を入れるときは、痛みが出るほど強く行わないようにします。
4.催眠法
催眠法では、カウンセラーが言葉で誘導しながら、注意を身体の感覚やイメージなどに向けていきます。
催眠状態は、意識がなくなったり、自分の意思がなくなったりする状態ではありません。
札幌心の相談センターでは、カウンセラーによる言葉の誘導を用いて催眠法を行います。
「催眠」という言葉から、テレビなどで見る催眠術を思い浮かべ、「自分の意思とは関係なく何かをさせられるのではないか」と心配される方もいます。
当センターでは、どのような方法なのかを事前に説明し、ご本人の希望と同意を確認したうえで行います。
無理に何かを話したり、行動したりさせるものではありません。途中で不安や違和感を感じた場合には、中止することができます。
5.音楽療法
音楽療法では、楽器の音やリズムを使いながら、人とのやり取りを実際に体験します。
札幌心の相談センターでは、主にジャンベを使い、カウンセラーと音やリズムをやり取りします。
相手の音を聴く、自分から音を返す、間をとる、相手とテンポを合わせるといったことを、言葉を使わないやり取りの中で体験します。
必要に応じて、タンバリン、ボンゴ、トライアングルなどの楽器を使うこともあります。
楽器を上手に演奏することが目的ではありません。
相手の働きかけを受け取り、自分から返す、交代する、相手に合わせるといったコミュニケーションを、音やリズムを使って体験しながら練習します。
6.バイオフィードバック法
バイオフィードバック法では、専用の装置を使って身体の反応を音や光、グラフで確認しながら、自分の心身の状態に気づき、調整していく練習をします。
札幌心の相談センターでは、パソコンと連動するバイオフィードバックの機器を使用しています。
指先の皮膚温や、発汗に伴う皮膚の電気的な変化を測定し、その変化を音や光、パソコン画面のグラフで確認します。
たとえば、呼吸法を行ったときに身体の反応がどのように変化するかを、本人と一緒に確認します。
自分では気づきにくい身体の反応を確認しながら、呼吸を整えたり、身体の力をゆるめたりして、自分の状態がどのように変わるかを確かめます。
表示される数値の良し悪しを競うものではありません。
この機器を病気の診断や健康状態の判定に使うものではありません。
7.イメージトレーニング法
イメージトレーニング法では、頭の中に場面や状況を具体的に思い描き、その場でどのように行動するかを頭の中で予行します。
札幌心の相談センターでは、イメージトレーニングを行う前に、呼吸法と自律訓練法を行い、身体の緊張をゆるめてイメージしやすい状態をつくってから行います。
たとえば、人前で話す、相手に自分の考えを伝えるなど、これから経験する場面を思い浮かべながら、どのように話すか、どのように行動するかを具体的に予行します。
実際の場面をいきなり経験するのではなく、まず頭の中で状況を思い描きながら練習し、その方の状態や目的に応じて実際の行動につなげていきます。
イメージの浮かびやすさや感じ方には個人差があります。はっきりした映像のように思い浮かばない場合でも、その人なりのイメージを使いながら進めます。
ご自身に合った方法を選びながら進めます
心身の整え方は、一人ひとり違います。ここで紹介した7つの方法をすべて行うのではなく、その方の状態や目的に合わせて、必要な方法を選びながら進めます。
どのような方法なのかをご説明し、ご本人の希望を確認してから行います。希望しない方法を無理に勧めることはありません。
実際に始めてから不安や違和感を感じた場合には、途中で休んだり、中止したりすることができます。一つの方法が合わないと感じた場合には、その方法にこだわらず、別の方法を検討します。
カウンセリングの中で実際に練習し、自分に合う方法が見つかれば、日常生活の中でも使えるようにしていきます。
医療機関で行う診断・治療とは異なります
このページで紹介している方法は、札幌心の相談センターのカウンセリングの中で、ご本人の希望や状況に応じて取り入れているものです。
医療上の診断や治療を行うものではありません。
痛み、睡眠、体調などについて心配な状態が続いている場合には、医療機関へご相談ください。
現在、医療機関へ通院している方は、取り組む内容について必要に応じて主治医へご相談ください。
心身安定健康法について相談をご希望の方は、ご予約・お問い合わせはこちらからお申し込みいただけます。
